煙はどっちへ?

- その2 -


 今回は分煙の話にしてみましょう。あなたが分煙ときいて思い浮かべる場所には、どんなところがありますか? ここでは駅の喫煙コーナーを考えてみます。
 駅の喫煙コーナーというのは大抵ホームの端っこの方にありますよね。喫煙者の方々から見れば、どうしてこんな不便な場所に作るんだということになると思うのですが。しかし、喫煙コーナーは端に作らざるを得ないんです。もし、駅の真ん中に喫煙コーナーを作ろうとすると、それこそ煙がまわりへ広がらないように煙を吸引するなどの装置が必要になってきますよね。これはとってもお金がかかります。全体の一部である喫煙者のために、鉄道会社がそこまで設備投資するとは思えません。それに、そんなことにお金を使えば禁煙者の理解が得られないでしょう。他に安くすむ分煙方法があるんですものね。もっと視野を広げて、自治体レベルで考えるとすると、煙草税を使うというのも一つの手になってくるのでしょうが、鉄道を使用しない喫煙者もいるわけで。これも何となく都合が悪い。最終的には、鉄道利用の喫煙者から寄付を募るしかなさそうですけど、…そこまでお金は集まりませんよね。
 しかし、喫煙コーナーが端の方にあっても、やはりその近くへ来た人たちのところへは煙が漂ってくるから一緒じゃないかという話もあります。しかし、私は喫煙コーナーの近くにいる以上、煙が来るという可能性があることを当然考えなければならないと思っています。つまり、煙が来るのががいやなら、もっと遠くへ行けばいい。我慢できる距離まで離れればいい。逆に、我慢できる人は近くに行ってもいいんです。でも、遠くへ行っているのに、マナーの悪い人が自分の近くで煙草を吸うものだから、いやな思いがするんです。
 少なくとも、喫煙コーナーが駅の端にあれば、喫煙者と禁煙者の接点が最小限になります。厳密な線引きは難しいけれども、現在のところ、これが一番合理的な方法といえるのではないでしょうか。
 今回は駅のホームの話だけで終わってしまいましたが、基本的な問題はどこでも同じだと思います。それぞれがお互いのテリトリーをきちんと守る。そうすれば少なくともそれ以上の不条理な思いはしなくてすみますからね。
 ということで、ホームの端に喫煙コーナーは存在し続けるのでしょうね。ホームが終日全面禁煙にならない限り。


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